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2020.09.22

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白内障手術が眼瞼下垂の引き金になる?

白内障手術が眼瞼下垂の引き金になる?
 
ハードコンタクトレンズの装用で眼瞼下垂になることはよく知られていますが、白内障手術によって眼瞼下垂が生じてしまうことは一般的にあまり知られていないことです。白内障手術は近年、小切開化に伴いリスクや時間も短くなって、安全に手術を行うことができるようになってきました。しかし、白内障手術でせっかく見えるようになったとしても、術後に眼瞼下垂が生じてしまうと、顔の印象が変わってしまった、視界が狭くなって術前より見えづらくなったという事態になりかねません。
この論文では、白内障手術後6ヶ月以上続く永続的な眼瞼下垂の頻度に関して調査が行われていますが、白内障術後に臨床的眼瞼下垂を認めた頻度は25.4%であり、なんと約4分の1の患者さんに術後眼瞼下垂を認めています。写真で見てもわかるほどの眼瞼下垂は3.3%と比較的高確率に眼瞼下垂が生じていることが分かります。術後眼瞼下垂の発生に影響を与える因子として、術前の眼瞼挙筋機能が低下しているということが挙げられています。つまり、もともと少し目が開けづらいなぁと感じている人ほど、術後眼瞼下垂が発生する頻度が高くなってしまうということです。
当院では術後眼瞼下垂を予防のため、手術の際はなるべく眼瞼挙筋群に影響与えないように開瞼の強さを弱くするようにし、短時間で手術を終えるように心がけております。また、当院では術後仕方なく生じてしまった眼瞼下垂に対しても皮膚を切らずに眼瞼下垂の治療を行うことで対応させて頂いております。
今後も日本眼形成外科学会会員として、白内障手術後に生じる眼瞼下垂の予防や治療に精通するように努めていきます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31926884/
 

 

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