SLT線維柱帯形成術
データでわかる緑内障レーザー治療
点眼を増やす前に、眼圧を下げる選択肢があります。SLTは、目の中の水の出口である「線維柱帯」に低エネルギーのレーザーを当て、房水の流れを改善する治療です
こんな方に相談されることが多い治療です
- 緑内障・高眼圧症で、眼圧をもう少し下げたい方
- 点眼を忘れやすい、点眼の刺激・充血・かぶれがつらい方
- 点眼薬を増やす前に、レーザー治療を検討したい方
- 手術までは考えていないが、将来の視野を守るために早めに対策したい方
SLTのポイント
- 外来で行うレーザー治療
- 治療時間は一般に数分程度
- 切開しないため、日常生活への影響が比較的少ない
- 効果があれば、将来再治療を検討できる場合がある
適応は隅角の状態、緑内障の種類、眼圧、視野・OCTの進行状況を診察して判断します。
SLTの治療効果をデータで見る
代表的な報告を「眼圧下降の目安」「効果が期待できる割合」「効果の持続」の3つに整理しました。実際の効果は治療前眼圧、緑内障のタイプ、既存点眼、線維柱帯の色素量などで変わります。
European Glaucoma Societyはレーザー線維柱帯形成術で平均20〜25%または4〜9mmHgの眼圧下降を示しています。
初期には80〜85%の眼で有効とされます。特に未治療・初期治療として使う場合に効果が出やすい傾向があります。
多くの眼で効果は2〜3年、時にそれ以上続くことがあります。効果は時間とともに弱くなる場合があります。
一時的な眼圧上昇が起こることがありますが、多くは短期間で対応可能とされています。
論文データから見る、SLT後の眼圧経過グラフ
「治療後にどのくらい眼圧が下がり、どのくらい続くのか」をイメージしていただくため、論文で報告された数値をもとに作成
日本人に多い正常眼圧緑内障
日本人に多い正常眼圧緑内障では、もともとの眼圧が高くないため、海外データほど大きな下降率に見えない場合があります。それでも、13mmHg台へ下げて維持できることは、視野を守る治療計画の中で重要な意味があります。SLT後もOCT・視野・眼圧の推移を組み合わせて、点眼併用や追加治療を判断します。
点眼治療とSLT、どう違う?
| 項目 | 点眼治療 | SLT線維柱帯形成術 |
|---|---|---|
| 治療の考え方 | 毎日の点眼で眼圧を下げ続ける | 房水の出口にレーザーを当て、流れを改善して眼圧を下げる |
| 通院・継続 | 毎日の継続が重要。忘れやすさが課題になることがあります | 外来で実施。効果判定のための再診が必要です |
| 副作用・負担 | しみる、充血、まぶたの変化、かぶれなどが出ることがあります | 軽い炎症、かすみ、一時的な眼圧上昇などに注意します |
| 向いている方 | 点眼を継続でき、薬で十分に眼圧が下がる方 | 点眼負担を減らしたい方、薬を増やす前に選択肢を検討したい方 |
| 大切なこと | 自己判断で中止しない | SLT後も定期検査を続ける。必要に応じて点眼併用 |
LiGHT試験で示された考え方
開放隅角緑内障・高眼圧症の初期治療として、SLTは点眼治療と比べても重要な選択肢とされ、初期治療として提案できる治療として位置づけられています。点眼を否定する治療ではなく、「目標眼圧に近づけるための選択肢を増やす」治療です。
有田眼科での相談から治療までの流れ
まず緑内障の状態を確認
眼圧、視野検査、OCT、隅角検査、視神経の状態を確認し、SLTが適しているか判断します。
治療の目的を共有
「眼圧を何mmHgくらいまで下げたいか」「点眼を減らしたいのか」「進行予防を強めたいのか」を一緒に確認します。
外来でレーザー治療
点眼麻酔を行い、専用レンズを使って線維柱帯へレーザーを照射します。一般に治療時間は短く、切開はありません。
治療後の眼圧チェック
治療直後または後日の眼圧を確認します。効果判定は数週間〜数か月の眼圧推移を見て判断します。
点眼・追加治療を調整
SLTだけで十分な場合もあれば、点眼併用が必要な場合もあります。視野を守るため、定期検査を継続します。
安全性と注意点
起こりうる症状
- 治療後の軽い充血・違和感・かすみ
- 軽い炎症
- 一時的な眼圧上昇
- まれに十分な眼圧下降が得られないこと
SLTは「緑内障を治す」治療ではありません
緑内障で一度傷んだ視神経や視野を元に戻す治療ではなく、眼圧を下げて今後の進行リスクを抑えるための治療です。治療後も視野検査・OCT・眼圧測定は必要です。
よくある質問
痛みはありますか?
点眼麻酔を行うため、強い痛みは少ない治療です。まぶしさや軽い違和感を感じることがあります。
効果はいつわかりますか?
眼圧下降はすぐに完成するわけではなく、数週間〜1〜3か月ほどかけて評価します。
点眼はやめられますか?
やめられる方もいますが、全員ではありません。目標眼圧と実際の眼圧、視野の進行リスクを見ながら判断します。
もう一度できますか?
初回が有効で効果が弱くなった場合、再治療を検討できることがあります。ただし効果は初回より弱い場合もあります。
緑内障は「見えているうちの対策」が大切です
SLTは、点眼だけに頼らず眼圧を下げるための大切な選択肢です。有田眼科では、検査データをもとに、患者さんごとに無理のない治療計画をご提案します。
参考データ・情報源
有田眼科の基本情報
| 医院名 | 有田眼科 |
|---|---|
| 医師名 | 有田 量一 |
| 住所 | 〒810-0033 福岡県福岡市中央区小笹2丁目2-3 |
| 電話 | 092-707-2132 |
| 診療案内 | 外来診療から日帰り手術まで幅広く対応 |
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