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2026.05.25

治療について

SLT線維柱帯形成術 データでわかる緑内障レーザー治療

GLAUCOMA LASER / SLT

SLT線維柱帯形成術
データでわかる緑内障レーザー治療

点眼を増やす前に、眼圧を下げる選択肢があります。SLTは、目の中の水の出口である「線維柱帯」に低エネルギーのレーザーを当て、房水の流れを改善する治療です

こんな方に相談されることが多い治療です

  • 緑内障・高眼圧症で、眼圧をもう少し下げたい方
  • 点眼を忘れやすい、点眼の刺激・充血・かぶれがつらい方
  • 点眼薬を増やす前に、レーザー治療を検討したい方
  • 手術までは考えていないが、将来の視野を守るために早めに対策したい方

SLTのポイント

  • 外来で行うレーザー治療
  • 治療時間は一般に数分程度
  • 切開しないため、日常生活への影響が比較的少ない
  • 効果があれば、将来再治療を検討できる場合がある

適応は隅角の状態、緑内障の種類、眼圧、視野・OCTの進行状況を診察して判断します。

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SLTの治療効果をデータで見る

代表的な報告を「眼圧下降の目安」「効果が期待できる割合」「効果の持続」の3つに整理しました。実際の効果は治療前眼圧、緑内障のタイプ、既存点眼、線維柱帯の色素量などで変わります。

20–25% 眼圧下降の目安

European Glaucoma Societyはレーザー線維柱帯形成術で平均20〜25%または4〜9mmHgの眼圧下降を示しています。

80–85% 初期有効率の目安

初期には80〜85%の眼で有効とされます。特に未治療・初期治療として使う場合に効果が出やすい傾向があります。

2–3年 続くことが多い

多くの眼で効果は2〜3年、時にそれ以上続くことがあります。効果は時間とともに弱くなる場合があります。

5% 前後 眼圧上昇

一時的な眼圧上昇が起こることがありますが、多くは短期間で対応可能とされています。

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論文データから見る、SLT後の眼圧経過グラフ

「治療後にどのくらい眼圧が下がり、どのくらい続くのか」をイメージしていただくため、論文で報告された数値をもとに作成

16.5 → 13.4 mmHg日本人正常眼圧緑内障230眼:SLT後12か月の平均眼圧
13.5 mmHg同研究:SLT後24か月でも眼圧下降が維持
73.7%24か月時点の治療成功率(ΔOP ≥20%の定義)
日本人NTG 230眼・2年データ SLT後の平均眼圧推移 FSS Study(日本人正常眼圧緑内障)報告値から作成 121314151617 16.513.413.5 治療前12か月24か月 単位:mmHg 約16〜18%低下
出典:Naitoら, J Clin Med 2025。全体平均は治療前16.5±2.4mmHg、12か月13.4±2.1mmHg、24か月13.5±2.3mmHgと報告されています。
初回治療・追加治療別の2年データ 初回SLT・追加SLTの眼圧推移 治療前 → 1年 → 2年 121314151617 治療前1年2年 初回SLT 追加SLT 単位:mmHg
同研究では、初回SLT群は16.7→13.3→13.7mmHg、追加SLT群は15.9→13.4→13.2mmHgと、2年後まで低下が維持されました。
治療成功率の目安 24か月時点の治療成功率 Kaplan–Meier解析:追加治療なしで基準を満たした割合 ΔOP ≥20% 73.7% IOP低下率 ≥20% 31.6% ※定義により成功率は変わります。正常眼圧緑内障では治療前眼圧が低いため、 「20%以上の眼圧低下」だけで評価すると低く見えることがあります。
患者さんには「効く/効かない」だけでなく、目標眼圧・病型・治療前眼圧に応じて効果判定を行うことを説明します。
LiGHT Trial:初期治療としてのSLT 3年間、点眼なしで管理できた割合 LiGHT Trial:初期SLT群の報告 74% 点眼なしで管理 説明ポイント SLTは点眼を否定する治療ではなく、 点眼負担を減らしながら眼圧管理を めざせる選択肢です。
LiGHT Trialでは、初期治療としてSLTを受けた患者さんの約74%が3年間点眼なしで管理できたと報告されています。

日本人に多い正常眼圧緑内障

日本人に多い正常眼圧緑内障では、もともとの眼圧が高くないため、海外データほど大きな下降率に見えない場合があります。それでも、13mmHg台へ下げて維持できることは、視野を守る治療計画の中で重要な意味があります。SLT後もOCT・視野・眼圧の推移を組み合わせて、点眼併用や追加治療を判断します。

点眼治療とSLT、どう違う?

項目 点眼治療 SLT線維柱帯形成術
治療の考え方 毎日の点眼で眼圧を下げ続ける 房水の出口にレーザーを当て、流れを改善して眼圧を下げる
通院・継続 毎日の継続が重要。忘れやすさが課題になることがあります 外来で実施。効果判定のための再診が必要です
副作用・負担 しみる、充血、まぶたの変化、かぶれなどが出ることがあります 軽い炎症、かすみ、一時的な眼圧上昇などに注意します
向いている方 点眼を継続でき、薬で十分に眼圧が下がる方 点眼負担を減らしたい方、薬を増やす前に選択肢を検討したい方
大切なこと 自己判断で中止しない SLT後も定期検査を続ける。必要に応じて点眼併用

LiGHT試験で示された考え方

開放隅角緑内障・高眼圧症の初期治療として、SLTは点眼治療と比べても重要な選択肢とされ、初期治療として提案できる治療として位置づけられています。点眼を否定する治療ではなく、「目標眼圧に近づけるための選択肢を増やす」治療です。

有田眼科での相談から治療までの流れ

まず緑内障の状態を確認

眼圧、視野検査、OCT、隅角検査、視神経の状態を確認し、SLTが適しているか判断します。

治療の目的を共有

「眼圧を何mmHgくらいまで下げたいか」「点眼を減らしたいのか」「進行予防を強めたいのか」を一緒に確認します。

外来でレーザー治療

点眼麻酔を行い、専用レンズを使って線維柱帯へレーザーを照射します。一般に治療時間は短く、切開はありません。

治療後の眼圧チェック

治療直後または後日の眼圧を確認します。効果判定は数週間〜数か月の眼圧推移を見て判断します。

点眼・追加治療を調整

SLTだけで十分な場合もあれば、点眼併用が必要な場合もあります。視野を守るため、定期検査を継続します。

安全性と注意点

起こりうる症状

  • 治療後の軽い充血・違和感・かすみ
  • 軽い炎症
  • 一時的な眼圧上昇
  • まれに十分な眼圧下降が得られないこと

SLTは「緑内障を治す」治療ではありません

緑内障で一度傷んだ視神経や視野を元に戻す治療ではなく、眼圧を下げて今後の進行リスクを抑えるための治療です。治療後も視野検査・OCT・眼圧測定は必要です。

よくある質問

痛みはありますか?

点眼麻酔を行うため、強い痛みは少ない治療です。まぶしさや軽い違和感を感じることがあります。

効果はいつわかりますか?

眼圧下降はすぐに完成するわけではなく、数週間〜1〜3か月ほどかけて評価します。

点眼はやめられますか?

やめられる方もいますが、全員ではありません。目標眼圧と実際の眼圧、視野の進行リスクを見ながら判断します。

もう一度できますか?

初回が有効で効果が弱くなった場合、再治療を検討できることがあります。ただし効果は初回より弱い場合もあります。

緑内障は「見えているうちの対策」が大切です

SLTは、点眼だけに頼らず眼圧を下げるための大切な選択肢です。有田眼科では、検査データをもとに、患者さんごとに無理のない治療計画をご提案します。

参考データ・情報源

有田眼科の基本情報

医院名 有田眼科
医師名 有田 量一
住所 〒810-0033 福岡県福岡市中央区小笹2丁目2-3
電話 092-707-2132
診療案内 外来診療から日帰り手術まで幅広く対応
ホームページ 有田眼科ホームページを見る
有田眼科 有田 量一
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