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お知らせ・医療ガイド

2020.11.29

治療について

白内障とその治療について動画をupしました

当院で行っている白内障手術について動画で説明しております。
白内障の手術前後について、比較的詳しく解説しておりますので、
興味がある方は参考にされてください。
 

白内障 術前説明



それでは今から手術前の準備や手術後の注意点等について説明させていただきます。
当院は木曜日が手術日となっておりますので、
手術2日前の火曜日より1日5回 抗生剤の点眼をお願いします。
特に時間指定は、ございません。
抗生剤の内服も、手術2日前の火曜日より開始してください。
抗生剤の内服は手術当日、手術の翌日まで内服して頂いたら終了です。
手術前日は入浴・洗顔をして、ゆっくり休んでください。
手術当日は御来院後、手術の準備に30分から1時間程度かかりますので、
手術予定時間の1時間前に当院に御来院いただきますよう、宜しくお願い致します。
直前の食事に関しましては、普段の半分程度にするようにしてください。
普段飲んでいる薬は止める必要はありませんので、いつも通り飲んでください。
 

 手術当日〜翌日の来院までの間は眼帯をしております。
遠近感や段差等が分かりにくくなり、歩きづらくなります。移動の際は気をつけてください。
翌日来院時に眼帯を外しますので、手術した目は触らず、そのままの状態でお越し下さい。
手術当日、目に激しい痛みなど感じた際は、お渡ししております緊急連絡先へご連絡ください。
手術日は目薬を行わず、抗生剤の内服のみ行ってください。
手術 翌日は、午前中に受診をお願いします。
 
 
手術後の目薬について、御説明いたします。
手術 翌日から1週間は、3種類の点眼を1日3回、手術した方の目に点眼してください。
手術 翌日に炎症止めの点眼液を2種類処方しますので、術前に処方した抗生剤の点眼液とともに使用してください。
手術後1週間が経過した水曜日から、これまで行っていた3種類の目薬は1日2回に変更してください。
赤いキャップの抗生剤(ベガモックス点眼液)とグレーのキャップの炎症止めの目薬(フルメトロン点眼液)は、なくなったら使い切り中止で大丈夫です。
青いキャップの炎症止めの目薬(ブロムフェナック点眼液)は、術後3ヶ月まで一日2回で継続してください。
 
 
次に手術後の生活についてご説明いたします。
手術 翌日より首から下の入浴は大丈夫です。目に浴槽の水が入らないように気をつけて下さい。
洗髪や洗顔は、手術 翌日は控えるようにお願い致します。
歩いたり、テレビを見たりするのは大丈夫ですが、激しい運動は避けるようにしてください。
手術 翌日はまだ見え方が慣れていませんので、車の運転はなるべく避けるようにしてください。
手術後2、3日は、光が入るとまぶしく、痛みを感じることがありますので、
そのような場合は当院からお貸しする保護メガネを装用されてください。
 
 
手術 翌々日から洗顔・洗髪は可能となりますが、手術した方の目の周りはなるべく触らず、拭く程度にしてください。
お風呂の浴槽の水はバイ菌がたくさんいますので、
洗顔・洗髪する際は、浴槽の水は使わず、シャワーや蛇口の水を使用してください。
ある程度見え方に慣れてきましたら、徐々に慣れた道などで運転を始められても大丈夫です。
手術 翌々日はまだ激しい運動は避けるようにしてください。
手術後1週間は、目を押したり、汚い手で触ると、感染したり、傷口が開いたりすることがありますので注意が必要です。
 
 
手術後1週間を過ぎれば、ある程度、普通の生活に戻して大丈夫ですが、ゴルフや水泳、山や海、温泉などは、バイ菌が多く、感染のリスクが高まりますので、手術後1ヵ月までは控えるようお願い致します。
 
  
 
手術後の検査の間隔に関しましては、一般的には手術をした翌日、術後3〜4日後、問題なければ2週間後、1ヵ月後、3ヶ月後といった期間で検査を受けて頂いて、手術後の合併症がないかどうか確認していきます。
特に手術後1週間は、感染症のリスクが高いので、急に強い痛みが出たり、霞んだりした際はすぐに受診するようお願い致します。
 
 
手術後、1ヵ月を過ぎれば、ゴルフや水泳、山や海、温泉なども問題ありません。術後1ヶ月を過ぎたあたりから、老眼鏡などのメガネ合わせも行うことができますが、術後3ヶ月〜半年で屈折が変わり、作成した眼鏡度数の調節が必要になることがあります。
 
 
手術費用における高額療養費制度についてご説明いたします。
医療費が高額になる場合、一定の自己負担限度額を超えた部分が払い戻される、高額療養制度があります。
年齢や所得に応じて、御本人が支払う医療費の上限が定められており、
またいくつかの条件を満たすことにより、
さらに負担を軽減する仕組みも設けられています。
70歳未満の方はア、イ、ウ、エ、オという区分によって月の限度額が変わります。
保険の種類によって、申請する場所も違ってきますので、
国民健康保険の方は、お住まいの区役所もしくは役場(保険年金課)の窓口で申請可能です。
全国健康保険協会の方は、上呉服町にあります協会けんぽの窓口で申請可能です。
組合の保険に加入されている方は、各保険者の窓口で申請可能です。
70歳以上の方は、お持ちの保険証の負担割合によって月額の自己負担限度額が異なります。
1割もしくは2割の方は、18000円になります。
3割の方は、所得に応じて変わってきますので、
お持ちの保険証を、全て受付に提示するようお願い致します。
 
 
最後に手術とその合併症についてご説明いたします。
白内障手術は特別な状態でなければ、約15分程度で終わります。
進行した白内障や高齢の方、瞳孔が小さい方、レンズを支える糸が弱くなっている方などは状況に応じて手術時間が長くなってしまいます。
 
 
手術の方法ですが、まず水晶体という濁ったレンズを包んでいる袋を、円形に取り外します。
その後、超音波で濁ったレンズの中身を取り除いていきます。
最後に折りたたんだ眼内レンズというレンズを袋の中に挿入して終了します。
 
眼内レンズの種類は大きく分けて単焦点眼内レンズと多焦点眼内レンズの2つがあります。
これまで多くの方は、保険診療において使用できる 単焦点眼内レンズで手術が行われてきました。
単焦点眼内レンズのメリットとしては、焦点の合っている距離であれば、
多焦点眼内レンズよりも鮮明にモノを見ることができます。
しかし、焦点が合っていない距離のモノを見る際は、メガネがないとピントを合わせることができません。
日頃から老眼鏡をかけるのに慣れている方や遠近両用のメガネをかけることに抵抗がない方などは、
むしろ多焦点眼内レンズより単焦点眼内レンズの方が術後満足されることもあります。
これまでは保険診療で使用できる眼内レンズは、単焦点眼内レンズしかありませんでしたが、
最近になって、低加入分節型眼内レンズ(レンティスコンフォート)というレンズが保険診療で使用できるようになりました。上半分が遠方、下半分に+1.5Dという度数(少し近くが見えるような度数)が加入されている2焦点眼内レンズです。イメージとしては遠近両用のメガネを目の中に入れるような感じですが、遠近両用メガネのように遠くを見るときはレンズの上の方を、近くを見るときは下の方を意識して使う必要はありません。
この眼内レンズでは遠方だけでなく、50~70cmくらいの中間距離くらいまではピントを合わせることができます。
完全に遠方と近方(手元)とが見える訳ではないので、
このレンズでもスマートフォンや本など、手元を見るときはメガネが必要です。
これまでの単焦点眼内レンズよりも、メガネをかけなくても日常生活が問題なく過ごせるので、
術後満足されていらっしゃる方が多いと感じています。
単焦点眼内レンズが良いのか、多焦点眼内レンズが良いのかは患者様の目の状態によって変わってきますので、
御相談の上決めさせていただきます。
 
 
 
 
白内障手術は飛躍的な進歩を遂げており、非常に安全で精度の高い手術になっておりますが、合併症はゼロではありません。術後に起こる可能性が少しでもあるものについて説明させていただきます。
 
手術の際に、目の中に激しい出血をきたす、駆逐性出血というものが起こる可能性があります。当院でこれまでに駆逐性出血が起こった事はありませんし、小切開手術による白内障手術で、この合併症が生じる可能性は限りなくゼロに近いものですが、絶対に起こらないとは言い切れません。
 
 
高齢の方や落屑症候群といって水晶体を支えているチン小帯という支持組織が弱い方は、レンズの支えとなる水晶体嚢がしっかりしていないことがあり、術中に水晶体の一部が後方の硝子体腔に落下したり、眼内レンズを水晶体の袋に挿入することが困難な場合があります。そのような場合は、硝子体手術や眼内レンズ縫着術といった追加手術が必要になりますので、手術時間が長くなってしまうことがあります。
 
 
白内障手術に伴って当院では感染に対して、十分な対策を講じておりますが、どうしても術後感染症を起こす可能性は、ある一定の確率( 2000人〜3000人に1人の割合)であります。現在の手術方法は小切開で創口も小さく、通常、手術後の点眼をしっかり行っていれば、術後感染症を起こす事はまずありませんが、高齢の方や糖尿病などの基礎疾患があり、感染症に対する免疫が弱まっているような方は、術後感染症を発症しやすくなりますので注意が必要です。感染症は手術後 約1週間以内に起こることがほとんどですので、術後1週間以内で強い痛みや、かすみ、などの症状を自覚した際は、すぐに受診するようにしてください。
 
 
白内障手術の術後早期に網膜に水が溜まってくる、黄斑浮腫という状態になることがあります。網膜に水が溜まると、見えづらさや、モノが歪んで見える などの症状が現れます。術後に使う青いキャップのブロムフェナック点眼液が、
この黄斑浮腫の発生を予防するための点眼ですので、術後決められた期間 点眼するようお願い致します。
 
 
手術後、数ヶ月から数年すると、レンズを入れるために残しておいた、水晶体嚢という袋が濁ってくる後発白内障というものが生じてきます。これは術後ほぼ必ず起こるもので、後発白内障が起こると、白内障があったときのような、霞んだ見え方になってしまいます。後発白内障に関しては、診察室にあるレーザー装置で簡単に治療を行うことができますので、術後の定期検査で、後発白内障を認めた際は、受診したその日に治療を行うことができます。後発白内障は一度レーザーで治療すれば、後発白内障が再発することはもうありません。
 
 
白内障手術後はこれまでのかすみが取れて見やすくなりますが、一方で術後、光をまぶしく感じるようになったり、飛蚊症が気になるようになったりすることがあります。光のまぶしさが気になる際は色付きのメガネなどを装用することで、軽減することができます。
以上で術前のご説明を終わらせて頂きます。何か不明な点などございましたら、医師やスタッフへお気軽に質問されてください。
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