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2020.11.29

疾患について

霰粒腫の解説を動画でupしております

冬になって霰粒腫というモノモライを発症される患者さんが増えてきましたので、霰粒腫について解説した動画をupしております。
ご興味がある方は参考にされてください。
 


マイボーム腺は、まぶたのまつ毛の少し奥にある脂の分泌腺です。通常は脂を分泌しており、その脂が目の表面全体を覆い、涙が万遍なく角膜上に広がるようにし、かつ涙の蒸発を抑制する働きをしています。
しかし、このマイボーム腺から分泌されている脂の性状がドロドロになって、分泌腺の開口部を詰まらせてしまうと、脂がマイボーム腺内に溜まってしまい、脂のうっ滞による慢性炎症が生じて、肉芽腫というシコリのような塊ができてしまいます。
 
 
霰粒腫は脂がマイボーム腺に詰まりやすい体質の方に起こりやすいですが、汚い手で目をこすったり、お化粧品がしっかり落とせていなかったりなど、眼を不衛生な状態にすることでも起こりやすくなります。
霰粒腫は一生のうちに、ほとんどならない人もいれば、何度も繰り返す人もいます。
 
霰粒腫は感染を伴わなければ痛みを伴うことがありませんが、皮膚にいる細菌が侵入して内部で繁殖してしまうと、痛みや腫れを伴います。
 
化膿を伴うと、初期は瞼の一部分を押すと痛むという症状から始まり、次第に瞼が腫れて、症状が強いと瞼全体が腫れることもあります。
 
霰粒腫は脂がマイボーム腺に詰まる病気ですので、お風呂の際などに暖かいタオルで30秒ほど、まぶたを温めて脂を溶けやすくしたのち、しこりがある部位のまぶたを、油を軽く押し出す感覚で15秒から30秒ほどマッサージをするのも効果的です。
 
お薬での治療は抗生剤と炎症度目の目薬と軟膏でおこないます。8割ほどの方は1週間程度で改善することが多いですが、2割程度の方は点眼や軟膏に対する反応が悪く、長期間凝りが残ったり、まぶたの腫れが悪化して、痛みと発赤が強くなることがあります。
 
霰粒腫のシコリは、自然と吸収することもありますが、数ヶ月から数年経っても、残ったままになることもあります。
 
保存的な治療でどうしても改善得られない場合は、特効薬がないため、保存的な治療で改善を待つか、手術でまぶたの中の肉芽腫を取り出すことになります。成人では局所麻酔で瞼の裏に小さな切開を行い、中身を取り除きます。
 
赤みのない、大きなシコリは薬が効きにくいことが多いので、積極的に手術を選択された方がよいでしょう。
 
子供さんの場合は、皮膚が赤くなって、膿んで皮膚が破れそうになっている場合は、長期間保存的に経過をみていると皮膚に瘢痕を残してしまうことがありますので、そのような場合は、積極的に手術を選択した方が良いでしょう。子供さんの切開は全身麻酔になりますので、こども病院をご紹介致します。

 
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